負荷試験とは?

非常用発電機 負荷試験四国

負荷試験(負荷運転)とは? 

非常用発電機の負荷試験(負荷運転)とは?

負荷試験(負荷運転)とは、非常用発電機が定格出力の30%以上の負荷率で一定時間の連続運転をする性能があるか?を点検する試験のことです。同時に、非常用発電機のディーゼルエンジンやマフラーの内部にたまった未燃焼物やカーボンを排出させるためにも行わなければならない試験です。
負荷試験は、消防法における運転性能に係わる点検方法の一つとして、消防予第372号で点検要領が定められており、年一回の実施が義務づけられています。一般的には「負荷試験」という名称で呼ばれていますが、消防法においては「負荷運転」が正式な点検名称です。

消防予第372号の第24非常電源(自家発電設備)3総合点検

※疑似負荷装置、実負荷等により、定格回転速度及び定格出力の30%以上の負荷で必要な時間連続運転を行い確認する。

『疑似負荷装置』を使った負荷試験は、非常用発電機に最も大切な点検の一つです。

◆『疑似負荷装置』で、非常用発電機の最大能力を検証致します◆
疑似負荷装置を使用した負荷試験は、無負荷運転ではまったく分らない運転性能が確認できる点が強みと内部に溜まったカーボンを排出し、エンジンの調子を良くすることができます。
この負荷試験は、消防法で定められている点検の一つであり、ディーゼルエンジンの非常用発電機にとっては、欠かすことのできない重要な点検となります。

非常用発電機の運転性能を点検するために負荷試験(負荷運転)は欠かせない。

年に数回、電気保安点検や消防点検を業務とする方々が「無負荷運転」という方法で、非常用発電機の点検を行いますが、残念ながら無負荷運転では運転性能の確認ができないことが問題となっています。

無負荷運転とは?
非常用発電機に負荷がかかっていない運転のことです。無負荷運転は、非常用発電機が発電した電気を外部の消防用機器などへ供給をしない運転方法のことです。

「無負荷運転」を車に例えると、車を停車させてエンジンを「空ぶかし」している状態のことです。
「空ぶかし」だけですと車を走らせていないため、「エンジンが動く」ことくらいの情報しか得ることができません。しかし「負荷運転(負荷試験)」とは、車を走らせている状態のことです。
実際に車を走行させる(負荷試験を行う)と色々なことが分かります。「法定速度が出せるエンジンの馬力はあるのか?」、「エンジンの冷却はできているのか?」、「エンジンから変な音がしていないか?」など、たくさんの情報を得ることができます。つまり、車の運転性能が分かるということになります。
 非常用発電機の負荷運転は停電時に負荷となる機器へ電気を供給している状態を再現する運転です。ですから、負荷試験をすると非常用発電機の実際の運転性能が分かります。
実際に負荷試験を行なってみると、「電圧が下がったり」、「オーバーヒートしたり」、「オイルが漏れたり」と運転性能がない非常用発電機が1割程ありました。
これらのほとんどの非常用発電機は、無負荷運転で「正常」と判断されていた非常用発電機でした。

以上のことより、負荷をかけた運転、負荷試験は「停電時に非常用発電機が役立つことを確認」するために欠かせない点検なのです。

非常用発電機の負荷試験(負荷運転)は、エンジンやマフラー内部をクリーンにする。

ディーゼルエンジンは、エンジンの特性上「無負荷運転」の場合、エンジン温度が上がらず、混合気が不完全燃焼を起こしやすくなります。それにより未燃焼物やカーボンがエンジンの燃焼室やマフラー内部に蓄積され、吸入・爆発・排気がスムーズにできなくなりエンジンの調子が悪くなってしまいます。
その上、溜まったカーボンの影響でマフラーから白煙がたくさん出てしまったり、時にはマフラーから火を噴くことがあり、とても危険です。

「いざ、という時に」非常用発電機がきちんと動きません。
このような状況にならないために定期的に非常用発電機の負荷試験をして、未燃焼物やカーボンを除去しておくことが重要となります。
負荷をかけた運転を行うことで、非常用発電機のエンジンの排気温度が上がり、未燃焼物やカーボンが燃焼されマフラーから排出されます。こうすることでエンジンやマフラー内部がクリーンになり、マフラーからの排気ガスが透明になり、火を噴くといったことも起きなくなります。
この様に負荷試験を行なうことによってエンジンやマフラー内部に溜まった未燃焼物やカーボンが排出でき、エンジンの調子がよくなり、きちんと動く非常用発電機にすることができます。

非常用発電機の負荷試験(負荷運転)の方法としては、「実負荷試験」と「疑似負荷試験」の2種類があります。

非常用発電機負荷試験の方法は消防法により定められており、実負荷試験と疑似負荷試験の2つがあり、法律上はどちらの方法でも問題はありません。
実負荷、疑似負荷装置等により、定格回転速度及び定格出力の30%以上の負荷で必要な時間連続運転を行い確認する。実負荷試験と疑似負荷試験それぞれにメリット・デメリットがあります。

「実負荷試験」と「疑似負荷試験」の特徴とメリット・デメリットとは?

非常用発電機 負荷試験四国

実負荷試験とは?

実負荷試験は非常時に電力を供給する設備を利用し、消防用の非常用発電機に消火栓やスプリンクラーなどの消防機器やエレベーターなどの非常時に稼働する設備がつながっており、その設備を実際に稼働させて負荷をかける方法です。

実負荷試験のメリット

各設備の点検も同時に行える点です。試験の際に施設内の設備を稼働させて負荷をかけるため、各設備が正常に稼働するかを同時に点検ができます。

実負荷試験のデメリット

①施設の停電、もしくは瞬停が発生する
実負荷試験では施設内の設備を利用するため、全館停電もしくは瞬停が発生します。
施設の性質で停電が許されないケースでは実負荷試験で対応できません。

②負荷率が安定しない
負荷が安定しない。
負荷試験では、定格出力の30%以上の負荷で一定時間連続運転を行うよう定められています。
負荷が安定せず長時間30%以上の負荷を維持することが困難です。
これは、エレベーターやポンプを動かして負荷をかけているためで、これらは一定の速度で動かし続けるのが困難なため、負荷が安定しません。

③大人数対応になる
稼働させる各設備に人員を配置するため、大人数での対応が必要です。
人員を配置するには当然人件費が発生するため、試験の費用が高価になる恐れがあります。

疑似負荷試験とは?

疑似負荷試験は、乾式ヒーター方式の『疑似負荷装置』を利用します。
非常用発電機は、施設内の設備とつながっておりますので、非常用発電機の系統を一時的に切り離し、専用の『疑似負荷装置』をつなげて負荷をかける試験方法です。

疑似負荷試験のメリット

疑似負荷試験のメリットが実負荷試験のデメリットをうまく解消しております。

①施設の停電は発生しない
疑似負荷試験では、負荷を施設の設備に頼らず、別系統で作業を行うため、停電せずに負荷試験を実施できます。病院やホテル、大型スーパーなど停電できない設備においても営業中に短時間で試験を完了できます。

②疑似負荷試験なので負荷率が安定する
実負荷試験と違い、負荷をかける専用の『疑似負荷装置』を利用します。
ですから、自由に負荷をコントロールできるため負荷率が安定します。
確実に30%以上の負荷を一定時間かけつづけられます。

③消防法で定める負荷試験以上の対策が可能です
消防法では、定格出力の30%以上で一定時間負荷をかける試験が望ましいとされています。
疑似負荷試験は、さらに負荷追従試験、負荷急変試験、連続運転(ヒートラン)を行えるため、災害時に近い試験が可能です。これによって、災害時に問題なく稼働するかを試験できるため、万が一の災害による被害を減らすことが可能です。

④人員配置は最低2名で可能です
実負荷試験では設備ごとへの人員配置が必要ですが、疑似負荷試験では最低2名で検査を実施できます。そのため費用を大幅に削減できます。

疑似負荷試験のデメリット

疑似負荷試験は、実負荷試験のデメリットを可能な限り解決した方法なので、デメリットが殆んどなくなりました。ただし実負荷試験のメリットである各設備の点検が同時にできなくなりましたので、非常用発電機の負荷試験とは別に行う必要があります。

まとめ

『疑似負荷装置』を使用した疑似負荷試験はメリットが大きい!!

停電作業が不要で、確実に定格出力の30%以上を維持できる 「疑似負荷試験」 をおすすめ致します。

疑似負荷試験(負荷運転点検)の流れ

1.疑似負荷装置の搬入、準備
2.電源の遮断/切替
3.疑似負荷装置を発電機に接続
4.計測作業
5.点検報告書データ作成
※詳しくはこちら ⇒



負荷試験とは非常用発電機に30%以上の負荷をかけ災害の時に正常に作動するかどうかを見極める点検方法です。実施することで、予期せぬトラブルや故障を未然に防ぐことができます。

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